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国内使用者数が1,500万人を越える中、コンタクトレンズを身近なものとして安易に考え使用される方が増えた結果なのか、コンタクトレンズの誤った使用が原因の眼疾病発症が増加の一途を辿っており、その止まらない状況に厚生労働省も警鐘を鳴らしています。
コンタクトレンズは眼の中に直接入れるという使用途もあり、人体へのリスクが比較的高いものとして、クラス3の高度管理医療機器に指定され、取り扱いや使用に注意が促されています。またコンタクトレンズ購入時には医師による処方が必要となっています。
10代、20代の角膜感染症発症患者の約90%がコンタクトレンズ使用者(グラフI)となっており、そのうち約70%もの人がソフトコンタクトレンズを使用(グラフⅡ)しているという報告が上がっております。
角膜感染症は、細菌やカビ(真菌)などの病原体が角膜に感染し、炎症を起こす病気です。角膜は黒目の部分を覆う透明の膜で、眼球の保護をしたり、目に入ってくる光を屈折させる役割を持っています。カメラに例えるとレンズにあたる大事な部分です。そのため、角膜感染症にかかると視力低下を起こしたり、ひどい場合は失明に至る場合もあります。
コンタクトレンズ選択の基準
眼は大気中から酸素を直接取り入れることで、菌の増殖を防ぐなどの生理機能を保っているため、眼を覆うように装用するコンタクトレンズは、より多くの酸素を通す必要があります。眼の酸素欠乏により、角膜の表面にある上皮細胞の剥離によりバリア機能が損なわれ細菌が接着しやすくなり感染症にいたるケースがあります。
角膜上皮細胞の長期酸素欠乏状態写真
黒く見えている部分は細胞が剥離してしまった部分で、バリア機能が損なわれ細菌が付着繁殖しやすい状態です。
眼の中に直接入れて使用するコンタクトレンズには、涙に含まれる脂質やタンパク質が付着してしまいます。また、大気中の雑菌なども付着します。この付着物が残ったままのコンタクトレンズの装着は、眼に多大な悪影響を及ぼす可能性があり、状況によっては眼疾病発症の直接原因となります。
コンタクトレンズの毎日のケアは、この付着物を取り除くための必要な作業でもあります。的確なケア用品を使って、正しい方法で、毎日しっかりケアを行いましょう。
マルチパーパスソリューション
マルチパーパスソリューション(MPS)とは最近主流の、洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本でできるソフトコンタクトレンズ用のケア用品。このMPSを注ぎ足しながら使ったり、交換しなかったりすると、コンタクトレンズの消毒が十分にできないばかりか、雑菌がレンズケースに付着し、バイオフィルムという膜をつくり増殖してしまいます。MPSの毎回の交換はもちろん、レンズケースも洗浄し乾燥させるなど清潔に保つことが重要です。また、新しいレンズケースへの定期的な交換もお薦めです。
コンタクトレンズには日々の取り扱いの中で、どうしてもキズや汚れが付いてしまいます。このキズや汚れは肉眼で見えないものでも、眼疾病を引き起こす原因となる場合があります。
定期検査はその疾病発症を未然に防ぐために、眼やお使いのコンタクトレンズを確認する大切な検査でもあります。異常を感じていなくても眼科医に指示された定期検査は必ずお受けいただけますようお願いいたします。